外用薬(塗り薬)には、保湿を目的にした「保湿外用薬」と、炎症を抑えることを目的にした「ステロイド外用薬」と「外用免疫抑制剤」があります。
アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返す病気なので、少し良くなったからといって自己判断でやめたりせず、「必要な量」を「必要な期間」使い続けることが大切です。

※以降このページでは、「ステロイド外用薬」と「外用免疫抑制剤」を合わせて「炎症を抑える外用薬」と呼びます

1. 炎症を抑える外用薬:塗る範囲

炎症を抑える薬の外用範囲は、思っているよりも広めに必要なことが多いです。
塗る範囲を主治医に確認しましょう。

外用薬を塗る範囲

One Point

体の部位によって、薬の吸収されやすさが異なります。
そのため、炎症を抑える外用薬は部位ごとに違う強さの薬を使い分けることがあります。

体の部位ごとの外用薬の吸収されやすさ

2. 炎症を抑える外用薬:必要な量

大人の第一関節の長さくらいの量を1FTU(ワン・フィンガー・チップ・ユニット)といい、手のひら2枚分くらいの面積に塗ります。ローションであれば1円玉くらいの大きさに出した量が1FTUに相当します。

1FTUの量の目安

One Point

5gチューブは手のひら20枚分に相当。
全身に塗るには5gチューブ4本くらい必要。

5gチューブの量の目安

One Point

ティッシュが貼りつくくらいまで、
しっかり塗りましょう!

外用薬を塗る厚みの目安

3. 炎症を抑える外用薬:必要な期間

炎症を抑える外用薬を使用し始めて、赤みが薄くなりかゆみが軽快しても、炎症はまだ治まっていない場合があります。自己判断で中断せずに治療を継続しましょう。

One Point

良くなったり悪くなったりを繰り返す湿疹には「プロアクティブ療法」

リアクティブ療法とプロアクティブ療法
一般社団法人日本アレルギー学会/公益社団法人日本皮膚科学会/アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会
アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021. アレルギー 2021; 70: 1257-1342

炎症を抑える外用薬の使い方には、症状が出たときだけ使う「リアクティブ療法」と、症状がなくなった後も週2回程度継続的に使う「プロアクティブ療法」があります。
アトピー性皮膚炎では、皮膚の表面はきれいに見えても、皮膚の内部に炎症が残っていることもあります。良くなったり悪くなったりを繰り返す湿疹に対してはプロアクティブ療法で、しっかりと治療を続けることが大切です。

4. 保湿外用薬の塗り方

外用薬の塗り方1

皮膚にちょんちょんと置くような感じで、薬をつけます。

外用薬の塗り方2

すり込まず、乗せるように、やさしく手のひらで広げます。皮膚のしわに沿って広げるようにしましょう。

One Point

外用薬は入浴後に塗るのが効果的

保湿外用薬は入浴後くまなく塗りましょう。
入浴すると皮膚が水分をたくさん保持しているので、保湿外用薬を早めに使うと、その水分が逃げないうちに皮膚にフタをすることができます。
全身にたっぷり塗るには、指先でなく手のひらに多めにとり、身体のしわに沿って塗ると、きれいに広がります。

×子どもの
アトピー性皮膚炎