治療の3本柱1)
治療には大きく3つの重要な柱があります。
①アトピー性皮膚炎を悪化させる要因を取り除く
②ステロイドの塗り薬を中心とした薬による治療
③毎日のスキンケア
これら3つをうまく組み合わせることによって、アトピー性皮膚炎を速やかにかつ確実に治療することができます。
子どものアトピー性皮膚炎の治療|治療選択肢が増えています
薬物療法などの治療
アトピー性皮膚炎を悪化させる要因を取り除くことは、アトピー性皮膚炎の大切な治療の1つですが、それと併せて行われる炎症を抑えるための治療が、薬を使った治療(薬物療法)です。
アトピー性皮膚炎の薬物療法は、皮膚に直接つける塗り薬(外用薬)のうち特にステロイド外用薬が治療の中心となります。この他に保湿剤やその他の外用薬、抗アレルギー薬の飲み薬も状況に応じて使用します2) 。
また、近年は大人にも子どもにもアトピー性皮膚炎の治療選択肢が増えており、外用薬の他にも抗体医薬品や免疫抑制剤、光線療法などさまざまな治療法があります。詳しくは以下の「アトピー性皮膚炎の治療選択肢」をご覧ください。
ご家族で上手に治療を続けるための工夫
治療を嫌がる時はどうしたらいい?
例えば頑張ったお子さまとご自身にご褒美をあげましょう。
忙しい日々の中で、治療をきちんと続けていくことは、ご家族にとってもお子さまにとっても大変なことです。
毎日のスキンケアを頑張ったら、「お子さまの好きなキャラクターのシールをカレンダーなどに貼って褒めてあげる」「1週間に一度、おいしいおやつを家族で楽しむ」など、お子さまやご自身にとってご褒美になるようなこと、楽しいことを用意しておくと励みになります。
治療の継続のために
アトピー性皮膚炎の治療は毎日続ける必要があるため、お子さまが嫌がる場合や、かく行動が繰り返される場合(習慣的掻破行動)には対処が困難なこともあります。
このようなとき、周囲の環境やご家族など大人の対応を変えることで解決策を見いだせることがあります。お子さまが治療を嫌がる場合や、皮膚をかきむしる行動が続く場合には、なるべく早く医師に相談し解決策を探りましょう。
1) 大矢幸弘ほか. 子どものアレルギー アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・ぜんそく 文藝春秋. 2017. p70
2) 大矢幸弘ほか. 子どものアレルギー アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・ぜんそく 文藝春秋. 2017. p72