外用療法と全身療法 【監修】地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪はびきの医療センター皮膚科 片岡 葉子 先生

塗り薬を使って行う治療を「外用療法」、飲み薬や注射、紫外線を使って行う治療を「全身療法」といいます。
アトピー性皮膚炎の治療は、必要な治療を必要な期間、きちんと継続することが必要です。

外用療法

保湿外用薬

皮膚を保湿する塗り薬です。
皮膚の乾燥を改善してバリア機能を回復し、かゆみを抑えます。
入浴後は、皮膚が乾燥する前に保湿外用薬を塗りましょう。
症状が改善した後も保湿を続けることが大切です。

保湿外用薬

ステロイド外用薬

炎症を抑える塗り薬です。効果の強さによって5つのランクがあり、
重症度や塗る場所で使い分けます。
「必要な量」を「必要な期間」きちんと塗ることが大切です。

ステロイド外用薬

外用免疫抑制剤

ステロイド外用薬とは異なるメカニズムで炎症を抑える塗り薬です。
特にステロイド外用薬の副作用があらわれやすい
顔や首などの湿疹に使われます。

外用免疫抑制剤

全身療法

経口免疫抑制剤

他の治療で症状が改善しない、
成人の重症アトピー性皮膚炎に使用される飲み薬です。

経口ステロイド

急激に症状が悪化した場合や、
非常に症状が重いアトピー性皮膚炎に限って
短期間使用する飲み薬です。長期間の使用は避けて、
医師が必要と判断した時期のみ使用します。

経口免疫抑制剤

生物学的製剤

皮膚の内部で免疫細胞が産生する物質の働きを抑えることで、
皮膚の炎症を抑え、かゆみや皮疹などの症状を改善する薬です。

生物学的製剤

光線療法

医療機器を使って紫外線をあて、皮膚の炎症を改善する治療法です。
他の治療で症状が改善しない場合や、
副作用で他の治療ができない場合に行います。

光線療法