喘息の診断やコントロール状態、重症度の確認では、問診のほか、いくつかの検査が行われます。
このページでは、喘息の主な検査について、紹介します。

問診 喘息の症状や治療薬の使用状況について確認します。
呼吸機能検査
(スパイロメトリー)
吐き出す息の量や速度を測定し、気管支がせまくなっているかなど呼吸機能を調べる検査です。
呼気一酸化窒素
(呼気NO)検査
気道の炎症の程度を調べる検査です。
血液検査 血液中の好酸球の数やアレルギーの原因物質などを調べる検査です。

① 問診

喘息の診断では、問診をきちんと行うことが大切です。喘息の特徴である発作性の呼吸困難、呼吸するときにゼーゼー、ヒューヒューという音がでる(喘鳴)、胸苦しさ、咳などの症状があるかどうかを確認します。
またすでに喘息と診断されている方であっても、コントロール状態を確認するうえで、問診はとても大切です。
どの程度コントロールできているか、症状があらわれる頻度や治療薬の使用状況によって、喘息の治療は変わってきます。そのため、自分の症状や状況はできるだけ詳しく医師に伝えることが重要です。受診の前に、気になることをメモしておくとよいでしょう。

「ぜんそく症状チェッカー」を活用しましょう

「ぜんそく症状チェッカー」は、咳、痰、息苦しさなど喘息に関連する8つの症状と、発作治療薬などの使用状況を簡単に確認できるツールです。結果画面を保存または印刷し、次回の診察時に持参して、医師に相談してみましょう。

あなたの喘息の状態を
簡単に確認してみましょう。

② 呼吸機能検査(スパイロメトリー)

スパイロメーターという機械を使い、呼吸機能を調べる検査です。息を思い切り吸ってから、勢いよく吐いたときに1秒間で吐ける量を「1秒量」といい、喘息の重症度の判定などに使用します。 気道がせまくなっていると、「1秒量」が少なくなります。

呼吸機能検査(スパイロメトリー)

1秒量の測り方

1秒量の測り方

③ 呼気一酸化窒素(呼気NO)検査

呼気NO検査では、機械に直接息を吹き込み、吐いた息の中の一酸化窒素(NO)濃度を測定します。呼気NOの数値によって、気道の炎症(腫れて赤くなっている状態)の程度を知ることができます。呼気NOの数値が上昇した場合、気道が炎症を起こしていることを示しています。気道で炎症が起きると、空気が通りにくくなり、喘息のさまざまな症状が起こります。

呼気一酸化窒素(FeNO)濃度測定検査
-呼気NO検査の数値(FeNO)を視覚化してみよう-気管支炎症の状態を数値を知ろう!体験ページはこちら

気管支の炎症の程度を測る呼気一酸化窒素(呼気NO)検査で
呼気NO濃度の数値(ppb)を医師から教えてもらい視覚化体験をしてみましょう。

④ 血液検査

血液中の好酸球数、総IgE値、抗原特異的IgE抗体などを測ります。

好酸球数 数値が大きい場合、気道が炎症を起こしていると判断します。
総IgE値 アレルギーがある場合、数値が大きくなります。
抗原特異的IgE抗体 アレルギーの原因(ダニ、ペット、カビなどのアレルゲン)がわかります。
血液検査

喘息の診断と重症度

喘息の診断は、上記の問診や検査の結果をもとに行われます。
また 喘息の重症度は、喘息症状の頻度や強さ、呼吸機能の検査の数値などによって 4 つに分類されます。
各重症度に応じて、治療ステップ 1 から 4 までの治療方法が、日本アレルギー学会によるガイドラインで推奨されています。
ご自身の重症度に合った治療方法を知りましょう。