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においのよろこび、

もう一度

鼻茸(鼻ポリープ)を治療しても
“におい”がわからない患者さんへ

光源1
光源2
青い光の背景

“においがすること”、
それはふだんは意識しないけれど、
私たちのたいせつな五感の一つです。
においは、
私たちの生活を守り、豊かにしてくれます。

ピンクの光の背景

においを感じるメカニズムの全容が
明らかになったのは、
いまから20年程前と比較的最近です。

鼻の病気に対する治療は進歩し、
ひどい鼻づまりや嗅覚障害をもたらす鼻茸も
薬物療法や手術などで
治る時代になってきています。

嗅覚障害が与える影響

背景イラスト1
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嗅覚障害が与える影響

においって何?

好ましいにおいから不快なにおいまで、外界にあるさまざまな物質からは「におい分子」が飛び出し、地球上には数10万種類のにおい分子が存在すると言われています。

人間は1000万個の嗅神経細胞と396種類の受容体でにおいを仕分けしています。

出典:三輪 高喜. 日耳鼻. 2023; 126(4): 365-369.

空気中のにおい分子が鼻から脳に伝わるイメージ

空気中のにおい分子

日常生活での困りごとは?

嗅覚障害の方を対象にした調査で、日常の困りごとの1位は“食べ物が腐っていることに気付かない”でした。

においが分からないと口に入れて初めておかしいことに気が付いたり、食べてしまって健康への悪影響が出たりすることもあります。

そのほか、ガス・火災の感知など命にかかわる危険を感知できないことも挙げられます。

嗅覚が低下した患者さんが困っていること

三輪高喜. 医学のあゆみ 2001;197:547-550

嗅覚の主な役割

危険を感知して回避
他人とのコミュニケーション
食事を楽しむ

主な役割は、
①危険を感知して回避
②食事を楽しむ
③他人とのコミュニケーション
などが
あります。

*出典:三輪 高喜. 日耳鼻. 2023; 126(4): 365-369.

嗅覚は人の五感の中で唯一、記憶や人間の情動・喜怒哀楽を司る脳の領域(海馬や扁桃体)にダイレクトに伝達するという特徴があります。

嗅覚があることによって瞬時に危険を察知したり、快・不快を感じたりすることができます。無意識の状態でも、“危険に遭遇したら逃げる”といった反応を即座に起こすために必要な機能です。

そのほかにもにおいがきっかけになり一瞬で過去の出来事を思い出す「プルースト現象」(無意識的記憶)が起こったり、良い香りをかぐことで気持ちが穏やかになるといった多様な効果があります。

慢性副鼻腔炎はさまざまQOL低下を
引き起こします
慢性副鼻腔炎はさまざま
QOL低下を引き起こします

COVID-19でも嗅覚障害が報告されていますが、実際には慢性副鼻腔炎の患者さんに最も多くみられます。慢性副鼻腔炎では症状として鼻づまりや頭痛が起きることもあり、においが分からないことに加えて、ウェルビーイング生活の質(QOL)の低下をまねきます。

※<対象・方法>兵庫医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科において、2004年12月〜2009年11月に嗅覚障害を主訴に受診した707例について原因疾患を検討した。

出典:都築 建三. におい・かおり環境学会誌. 2014; 45(4): 262-270.

においがしない、鼻づまり・頭痛で悩んでいる人のイラスト

1)Serrano E et al. J Laryngol Otol. 2005; 119(7) : 543-549.
2)Rudmik L et al. Laryngoscope. 2014; 124(9) : 2007-2012.
3)Sahlstrand-Johnson P et al. Rhinology. 2011; 49(4) : 420-428.
4)三輪高喜. 医学のあゆみ. 2001; 197(7) : 547-550.
5)Keller A et al. BMC Ear Nose Throat Disord 2013; 13(1): 8.
6)萩野枝里子ほか. 日耳鼻. 2017; 120(9) : 1155-1164.

嗅覚障害がなかなか治らない場合 嗅覚障害が
なかなか治らない場合

慢性副鼻腔炎では、慢性化した炎症が長期間続くことで、粘膜の組織が変化して一部が腫れ上がり、鼻の内部にキノコのようなポリープ(鼻茸)が形成されることがあります。

鼻茸は手術や薬物療法で治ると認識されている疾患ですが、「2型炎症」というアレルギー性の炎症が関わっている場合、本来は身体を守るべき免疫が過剰に働き、炎症が持続することで、手術で取り除いたり薬物療法で縮小させたりしても何度も鼻茸が再発してしまいます。

※好酸球が増加することから「好酸球性副鼻腔炎」とも呼ばれ、国の指定難病となっています。

手術や薬物療法などの治療が暫く経つと再発しているイラスト

JESRECスタディ:約3年(22.6ヵ月)追跡したデータ:鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の手術実施後、好酸球性副鼻腔炎だと、23.4~51.8%の割合で再発していました。

鼻の奥の方にできた鼻茸は、
自分で見ることができません

治療後も再び“においが
分かりにくいかな?”と思ったら、
早めに鼻の専門医に
最適な治療について相談しましょう。

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世界のJoy of Smell(嗅覚の喜び)

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街中で感じる食べ物の匂い

街中で感じる食べ物の匂い

世界中の“においのよろこび”のムービーをお届けします。Joy of Smell(嗅覚の喜び)は、私たちの日常を彩ります。
嗅覚障害に悩む世界中の人々が、独特なにおいの中にも“よろこび”を見出すストーリーです。

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