匂いを失ってもあきらめずに、
治療を受けて匂いを取り戻してほしい
鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の中には、手術をしても再発しやすく、ひどい鼻づまりや嗅覚障害を引き起こすものがあります。匂いを失い、手術後の再発も経験した患者さんは「匂いがわからなくなり悩んでいる人は、ぜひ前向きに治療を受けてほしい」と呼びかけます。
テーマ別ムービー
- 「匂いのない世界」編(02:22)
- 「誰にも理解してもらえなかった」編(01:21)
- 「匂いを取り戻したい、手術の決断」編(02:10)
- 「なくしたからわかる、匂いの大切さ」編(01:23)
フルムービー版
- 「匂いのない世界」(10:19)

あなたにとって、匂いとはなんでしょう。匂いを失ってどう感じましたか。
匂いは、とても大切なものであり、一言でいうと喜びですね。匂いが感じられなくなっても、日常生活ではあまり支障はありませんが、大切な何かが足りない、目は見えるけれど色がわからない、違和感がある、そんな感じになってしまいます。実際に匂いを失ってみて、嗅覚はものすごく大切な感覚の一つだということに気づきました。
どんなときに「匂いを感じられないつらさ、わかってもらえないつらさ」を感じましたか。
一番つらいのは、食べ物のおいしさがかなり減ってしまうことです。例えば焼き鳥やうなぎの香ばしい香りがせず、スパイシーで好きだったカレーもシチューを食べている感覚で味気ないのです。雨が降りそうなときの街の匂いや、趣味のサーフィンで海に行ったときの磯の匂いなどが感じられないのも、とても寂しく思いました。匂いが感じられないつらさが周囲に理解されにくいのも嫌でしたね。友人や職場の人には、少し匂いがわからないくらいだよねと、軽い受け止め方をされがちなのです。この状態がずっと続くのは困るなと、毎日のように思っていました。

嗅覚障害の治療ではどのようなことを行いましたか?
水っぽい鼻水がよく出るような症状の時期があり、そのあとから匂いがよくわからなくなりました。近所の耳鼻咽喉科クリニックを受診し、処方された点鼻薬で症状は治まりましたが、しばらくすると、また匂いが感じられなくなるということを3回ほど繰り返しました。そのうちに耳鼻科の先生から「点鼻薬は長く使えないので、専門的なところで診てもらったほうがよい」と病院を紹介され、検査を受けたところ鼻の奥に鼻茸のようなものがあり、外科手術をすれば嗅覚は戻るだろうと言われました。
その際、好酸球性副鼻腔炎であれば、手術してもかなりの確率で再発するとの説明も受けたのですが、あまり気にせず、手術を受けて匂いを取り戻したいと思いました。手術自体はそれほどつらくなく、手術後、嗅覚が戻ったときはうれしかったですね。
手術後に再び匂いを失ったときのつらさと、
そのとき先生と相談したことはどんなことでしょうか。
必ずしも再発するものではないだろうと楽観的に考えていたところがあります。しかし実際は半年後に再発して、また匂いが感じられなくなってしまいました。再発してまた匂いが感じられなくなったときは本当にショックでした。このあと、病院の先生に再発したことを相談したところ新しい治療の提案をいただきました。
匂いを失った方々へ伝えたいことはどんなことでしょうか。
私の場合、耳鼻科の先生が専門的な診療が必要だと判断して病院に紹介してくださったことや、その病院の先生が、手術後の再発に対しても次の選択肢を提案してくださったことなど、とてもラッキーでした。
匂いを感じられない状態が治る見込みがなく、一生ずっと続くのであれば相当つらかったのではないかと思います。同じ症状で、治療を受けていない方や、手術を受けたものの再発した方で、別の選択肢を提案されるような機会があれば、試してみる価値があるのではないかなと思います。
匂いを感じられない世界のままだとあきらめないで、先生とよく相談してください。匂いが感じられなくなって悩んでいる方には、ぜひ適切な治療で嗅覚を取り戻していただきたいなと思います。

