副鼻腔炎の治療法について
~処置・局所療法、薬物療法、手術について~
【監修】獨協医科大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科 主任教授 春名 眞一 先生

このページでは、副鼻腔炎の主な治療法について解説します。副鼻腔炎をきちんと治すためには、治療の継続が必要な場合があります。先生の指示に従って治療を実践しましょう。

副鼻腔炎の主な治療法

副鼻腔炎の治療法には、①処置・局所療法、②薬物療法、③手術療法があります。
症状や重症度などによって、これらの治療法を組み合わせ、治療を行います。

①病院(外来)で行う
処置・局所療法
・鼻処置
・ネブライザー療法
・副鼻腔洗浄
②薬物療法 ・抗菌薬
・ステロイド(鼻噴霧用、経口)
・生物学的製剤(注射薬)
③手術療法 ・内視鏡下鼻内副鼻腔手術(ESS)

①処置・局所療法

病院(外来)では、鼻処置やネブライザー療法、副鼻腔洗浄などが行われます。

鼻処置

麻酔薬や血管収縮薬を使って鼻の中の腫れを抑えるとともに、粘り気のある鼻水を吸引して鼻の通りをよくします。

ネブライザー療法

鼻の穴にノズルを差し込み、機械から出てくる
霧状の薬剤(抗菌薬やステロイド薬)を吸いこみます。

副鼻腔洗浄

鼻の中に麻酔をした後に、上顎洞に針を刺し、生理食塩水で副鼻腔内を直接洗浄します。
とくに頬の腫れや痛みが強い場合に行います。

②薬物療法

急性副鼻腔炎には、抗菌薬を短期間使用します。一方、慢性副鼻腔炎では少量の抗菌薬を長期間使用したり、ステロイド点鼻薬を使うこともあります。
また、治りにくいタイプ(難治性)の慢性副鼻腔炎には、飲み薬のステロイドや、鼻茸のある患者さんの場合には生物学的製剤が使用されることもあります。その他、抗ヒスタミン薬ロイコトリエン受容体拮抗薬も適宜使用されます。

抗菌薬

抗菌薬は、急性副鼻腔炎および一部の慢性副鼻腔炎の治療に使われます。抗菌薬によって炎症の原因である細菌を殺したり、増殖を抑えることで、鼻水や鼻づまりなどの症状を改善します。
急性副鼻腔炎であれば、7~10日間の服用が一般的です。一方、慢性副鼻腔炎の場合は、マクロライド系とよばれる抗菌薬を少量ずつ長期間服用する治療が行われます。服用期間の目安は3ヵ月間です。

ステロイド

《鼻噴霧用ステロイド(点鼻薬)》

炎症を抑える効果があり、鼻症状改善を目的として使用されます。
手術後の再発防止を目的として使われることもあります。

《経口ステロイド(飲み薬)》

飲み薬のステロイドは全身に作用して炎症を抑えます。急激に症状が悪化した場合や、
鼻茸(鼻ポリープ)が再発した場合に短期間使用することがあります。
長期間の使用は避け、医師が必要と判断した時期のみ服用します。

生物学的製剤(注射薬)

生物学的製剤は、既存治療で効果不十分な、鼻茸のある慢性副鼻腔炎患者さんに使用することができます。生物学的製剤は、炎症反応に関係している物質の働きを抑えることで、鼻や副鼻腔の炎症を抑える新しいタイプの薬です。鼻茸を小さくするとともに、鼻づまりや匂いがわからないなどの症状を改善します。他の薬とは異なる機序で働くため、これまでの治療でうまくコントロールができなかった患者さんでも、効果が得られる可能性があります。

③手術療法

手術は、内視鏡を使った手術(ESS:内視鏡下鼻内副鼻腔手術)が一般的です。内視鏡と手術器具を鼻の穴から挿入し、モニターで映像を見ながら手術を行います。
手術では、炎症を起こしている粘膜や鼻茸を取り除くとともに、鼻と副鼻腔をつなぐ穴(自然口)を広げて副鼻腔内の換気を良くし、炎症が起こりにくい状態にします。

手術時間は、副鼻腔炎の重症度によってさまざまです。
日帰り手術ができる場合もあれば、1週間程度の入院が必要な場合もあります。

手術後は再発を防ぐために、医師の指示に従って、術後治療を根気よく続けることが大切です。
定期的に通院するほか、自宅では、鼻洗浄(鼻うがい)によるセルフケアを行います。