特発性の慢性蕁麻疹の診断とコントロール状態のチェック

特発性の慢性蕁⿇疹の診断とは?

蕁麻疹の治療を行うためには、まず、蕁麻疹の種類を判断することが必要です1)。まず、症状や経過を調べるために問診や体の状態の診察を行います1)。これらの結果から、蕁麻疹との関連が疑われる病歴や身体所見などがある場合には検査を行いますが、蕁麻疹以外に明らかな症状がなく、蕁麻疹の症状にも特別な特徴がない場合にはむやみに検査は行わずに、特発性の蕁麻疹と判断されます1)

また、アナフィラキシーを疑う症状(のどのかゆみや腫れ、ふらつき、動悸、息苦しさなど)を伴う場合はアレルギー性蕁麻疹などの原因となる刺激がある可能性を考えます1)

参考文献
1) 秀 道広ほか:蕁麻疹診療ガイドライン 2018. ⽇⽪会誌 2018;128(12): 2503-2624

特発性の慢性蕁麻疹のコントロール状態のチェック

特発性の慢性蕁麻疹の症状や状態を把握するために、いくつかのスコアリングツールが開発されています。下記に示すUCTというツールはそのなかでも代表的なものです。
特発性の慢性蕁麻疹の患者さんは夜に症状が出る場合が多く、日中、医療機関を受診する際には、医師が皮膚症状を確認できない場合もあります。そのため、UCTなどを使って患者さんの状態を客観的に評価することも重要となります。また日常生活で困っていることを医師に伝えることも大切になります。

じんましんコントロールテスト

UCT(じんましんコントロールテスト)1,2)

患者さん自身が過去4週間のじんましんの状態を評価するツールです。
4つの質問にそれぞれ5段階で点数をつけて、最終的に合計点で評価します。

UCT(じんましんコントロールテスト) UCT(じんましんコントロールテスト)

参考文献
1) Weller K, et al. J Allergy Clin Immunol 2014; 133: 1365-1372.
2) Urticaria Control Test-Scoring Template. Version 2014. MOXIE. Germany, 2014.