慢性特発性じんましん(CSU)の治療ガイド そのかゆみくり返していませんか?

1分でセルフチェック Q.皮膚に赤い膨らみがある
YES
NO

【監修】昭和医科大学医学部皮膚科学講座 主任教授 猪又直子先生
6週間以上続く、原因が特定できないじんましんを「慢性特発性じんましん」(CSU:chronic spontaneous urticaria)といいます。

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こんな経験、
ありませんか?

  • おふろや布団に入って体が温まるとかゆくなる
  • かゆくて寝つきが悪い、かゆみで目を覚ますことがある
  • 寝ている間に無意識にかいてしまい、起きるとひっかき傷ができている
  • 寝不足で仕事に集中できない
  • 皮膚の赤みやかいたあとを人に見せたくない
  • 朝になるとかゆみも赤みもなくなっている
  • 初めてかゆみが出てから、たびたびくり返している

これらは、じんましん
患者さんのエピソードです。

じんましんとは? 代表的な症状

  • 症状1

    皮膚にかゆみのある赤い
    ふくらみ(膨疹)が突然、現れる

  • 症状2

    虫刺されのような
    小さなふくらみが
    だんだん広がり、大きくなる

  • 症状3

    現れてからしばらくすると
    跡形もなく消える

じんましんは、
皮膚にかゆみを伴う
赤いふくらみが現れます。

じんましんは、皮膚の血管が一時的に膨張したり、血液の成分が漏れ出て起こる反応です。

アレルギーによるじんましんはごく一部 多くの
じんましんは
原因がわからない

じんましん患者における病型の内訳

じんましん患者における病型の内訳

Saito R,et al. J Dermatol. 2022;49(12) :1255-1262より作図
(2種類以上のじんましんを合併した患者では、主たるじんましんの病型のみを集計)

じんましんの約8割は、
原因が特定できない
「特発性のじんましん」です。

特定の刺激や負荷によりおこるじんましん(刺激誘発型じんましん)は全体の2割程度です。

慢性特発性
じんましん
(CSU)とは?
原因がわからない、くり返すじんましん

突発性+慢性

じんましんの約6割は、
慢性的に繰り返し、
日常生活や心の健康にも
影響します。

「慢性特発性じんましん」は英語名「Chronic(慢性的) Spontaneous(特発性)Urticaria(じんましん)」の
頭文字をとって「CSU」とも呼ばれます。

1年以上、
症状をくり返す
ことが多い
原因がわからない、くり返すじんましん

慢性特発性じんましんの平均罹患期間は1~5年程度です。
ただし、予測不能で、5年以上にわたる場合もあります。

罹患率
  1. 1)Maurer M, et al. Allergy. 2011;66(3):317-330.
  2. 2)Kim YS, et al. Allergy Asthma Immunol Res. 2018;10(1):83-87.
  3. 3)Maurer M, et al. Allergy. 2017;72(5):2005-2016.
  4. 4)Gaig P, et al. J Investig Allergol Clin Immunol. 2004;14(3):214-220.

くり返すじんましんは、
専門医にみて
もらいましょう。

薬で
コントロールが
できます
原因がわからない、くり返すじんましん

慢性特発性じんましんは、薬物療法を中心に治療を行い、症状の改善を図ります。

治療のゴール
治療にあたっての心構え
  • 症状に応じて薬を調整するため、治療に時間がかかることがある
  • 再発の原因になることがあるので自己判断で薬を減らしたり、やめたりしない
  • 多くの場合、検査で原因が特定できないため、原因追及にこだわりすぎないようにする

くり返すじんましんは、
専門医に継続して
みてもらいましょう。

治療の流れ

治療にあたっての心構え

秀 道広ほか:蕁麻疹診療ガイドライン 2018. 日皮会誌. 128(12): 2503-2624.

治療のステップ
  1. Step1薬物治療は抗ヒスタミン薬からはじめます。
  2. Step2その後、じんましんの状態に合わせて必要な薬を追加または変更していきます。
  3. Step3抗ヒスタミン薬で症状の改善が図れない場合には、分子標的薬などを用いて、原因にアプローチした治療を行います。分子標的薬は副作用が少ないものが多く、長期使用も可能です。

治療によって症状が現れない状態になったら、薬を徐々に減らし、それを維持します。
最終的には薬を使わなくても症状が現れない状態を目指します。
治療の選択肢が増えていますので、医師と相談しながら進めましょう。

1分で簡単
セルフチェック
それって、じんましん?

皮膚に赤いふくらみがある

かゆみがある

症状が、数十分~数時間、
長くても24時間以内に消える

6週間以上、くり返している

結果

じんましんではない可能性

あなたの症状はじんましんではないかもしれません。
皮膚の症状が気になる場合には、専門医にご相談ください。

医療機関を検索

結果

慢性特発性じんましん(CSU)の可能性

原因不明で、6週間以上くり返すじんましんが出る場合は
「慢性特発性じんましん」かもしれません。
お薬で症状のコントロールができますので、専門医の受診をお勧めします。
アレルギー反応や薬剤、物理的な刺激などが原因の場合には、
可能な限りそれらを避けることが重要です。専門医にご相談ください。

医療機関を検索

結果

急性じんましんの可能性

感染症やアレルギー反応、薬剤、物理的な刺激などが原因の場合には、
原因がなくなることで症状が改善することがあります。
原因不明で、くり返すじんましんがさらに長く続く場合には、
お薬でコントロールできますので、専門医の受診をお勧めします。

医療機関を検索

チェックの結果はスマートフォンの画面で医師に見せられます

患者さんの体験談

慢性特発性じんましんの患者さんの体験談
症状に対する向き合い方や気持ちの変化をご紹介します。

Aさん 30代 女性

眠れないかゆみの治療を辛抱強く続けた。発症から10か月、ようやくかゆみから解放された。

Bさん 30代 女性

継続して通院しても強いかゆみが続いた。専門医にみてもらい、初めて自分に合う治療法に出会えた。

Cさん 60代 男性

経験したことのない強いかゆみと真っ赤なじんましんで憂鬱に。通院を重ね、症状が改善し、気持ちも晴れた。

※この事例は、患者さんのインタビューをもとに構成しています。

ドクターズ
メッセージ

猪又直子先生

昭和医科大学医学部皮膚科学講座
主任教授

猪又直子先生

6週間以上続く、原因がわからないじんましんを「慢性特発性じんましん」といいます。原因不明であることに不安を感じるかもしれませんが、原因を特定できないからといって治らないわけではありません。慢性のじんましんは原因の特定にこだわりすぎず、気持ちを切り替えて症状改善のための治療に取り組んでほしいと思います。
慢性特発性じんましんの治療は以前よりも進歩しています。過去にじんましんで受診したことのある方にも、以前とは別の治療選択肢がご提示できるかもしれませんので、まずは専門医にご相談ください。
ご自分に合ったお薬によってじんましんのつらい症状から解放される患者さんも増えてきていると感じています。諦めずに治療を受けていただきたいと思います。

Q&A

皮膚が赤く盛り上がり、かゆくなりました。これは、じんましんですか。

突然、皮膚が赤く盛り上がって、かゆくなりました。はじめは小さな虫刺されのようでしたが、1つ1つがつながって大きくなっているところもあります。1時間ほどで跡形もなく、消えていました。これはじんましんですか。

皮膚に現れる、かゆみを伴う赤い小さなふくらみはじんましんの代表的な症状です。

じんましんは、皮膚の血管が一時的に膨張して起こる反応で、はじめは、虫刺されのような小さなふくらみがぽつぽつとでき、それがつながって大きくなることがあります。かゆみを伴い、現れてからしばらくすると跡形もなく消えるのが特徴です。

夜になると出て、朝になると消えるじんましんが続いています。

夜になると肌が赤く、かゆくなります。朝になると跡形もなく消えるのですが、また夜になると現れます。ここ数週間、それがくり返されています。これは、じんましんとは別のものでしょうか。

長期間くり返すじんましんがあります。

じんましんは数十分から数時間、長くても24時間以内に消えるのが一般的です。多くは一過性ですが、中には、長期間にわたってくり返すじんましんがあります。特に思い当たる原因がない、6週間以上続くじんましんを「慢性特発性じんましん」といい、1年以上症状が続く場合も少なくありません。早めに専門医にご相談ください。

じんましんがくり返しています。どのくらいで治りますか。

特に思い当たる原因はありませんが、じんましんが1週間以上くり返しています。できれば病院に行きたくないのですが、症状はどのくらいでおさまりますか。

一過性だけでなく、慢性のじんましんもあります。

じんましんというと、夜に現れて朝に消える一過性の「急性じんましん」を思い浮かべる方が多いですね。あまり知られていませんが、数か月から数年間にわたって、出たり消えたりをくり返す、原因がわからないじんましんがあります。慢性のじんましんは、皮膚科を受診して治療を始めることをお勧めします。

じんましんが朝になっても消えないことがありますか。

夕方、じんましんのような赤いポツポツが出て、朝になってもおさまらず、ずっとかゆみがあります。じんましんが長時間続くことがありますか。じんましんとは別のものでしょうか。

長時間続くじんましんもあります。

じんましんは数十分から数時間、長くても24時間以内に消えるのが一般的ですが、症状が完全に引くことなく、ずっと現れている場合があります。かゆみの症状が続いていると睡眠や昼間の仕事にも影響が出てしまいます。専門医にみてもらうなど、早めに対処することをお勧めします。

夜に現れて、朝に消えるじんましんが続いています。
どうやって受診すればいいですか。

夜になると現れるじんましんが続いています。朝になると消えてしまうので、先生に状態を見せられません。どうやって受診すればいいですか。症状がある時に確認しておくことはありますか。

皮膚科でじんましんの状態を伝えましょう。

じんましんは昼間のうちは消えていることも多く、診察時に実際にじんましんの状態をみせるのが難しいですね。そのようなときは、多くのじんましん患者さんをみている皮膚科を受診するのがよいでしょう。診察にあたって、次のポイントを確認しておくと、スムーズな診察ができますよ。

1,発疹が出た範囲や形、個数など。写真を撮ってお持ちいただくとよいでしょう。
2,かゆみの程度や、症状が悪化するタイミング。
3,食品や薬のアレルギーなど思い当たるきっかけ。

くり返すじんましんは、病院で治りますか。

毎日のようにじんましんが繰り返し現れます。じんましんの市販薬を飲んでもかゆみが続いています。病院に行けば治りますか。

くり返すじんましんは、医療機関で治療ができます。

くり返すじんましんは、市販薬ではおさまらないことがあります。皮膚科での治療をお勧めします。治療で目指すのは、まず症状が現れないようにすること。さらに、徐々に薬を減らしながら症状が現れない状態をキープし、最終的にはお薬を使わなくても症状が現れない状態を目指します。症状がおさまっていても自己判断で薬を減らしたり、やめたりすると再発したりすることがあります。治療に時間がかかることもありますが、専門医と一緒にしっかり治すことを目指しましょう。

病院でじんましんの検査は不要と言われました。

くり返すじんましんが出て、受診しました。アレルギーの既往や思い当たる刺激や負荷などがないなら「検査は不要」と言われ、薬を処方されました。検査をしないで診断できるものでしょうか。

多くのじんましんは、検査をしても原因がわかりません。

あまり知られていませんが、実は、多くのじんましんは原因がわからない「特発性」のじんましんです。そのため、アレルギーの既往や思い当たる刺激や負荷がない場合には、検査をしても原因の特定は難しいのです。不安になるかもしれませんが、原因を特定しても、しなくても治療は変わりません。今ある症状の改善に向き合うことをお勧めします。

じんましんがなかなか治りません。

1年ほど前にじんましんを発症しました。皮膚科の飲み薬が効いている時期もありましたが、最近、かゆみで目が覚める毎日です。ほかにお薬はないのでしょうか。

じんましんの治療の選択肢は増えています。

じんましんは、治療薬で症状の改善を図ります。抗ヒスタミンの飲み薬でもじんましんの状態が改善しない場合には、分子標的薬などを用いた治療選択肢が増えています。かかりつけの医師に相談してみてはいかがでしょうか。

「じんましんは、原因がわからない」と言われました。

じんましんが出たため医療機関を受診したところ、先生に「じんましんは、原因がわからない」と言われました。病院を変えて原因を特定したほうがいいでしょうか。

実は、多くのじんましんは原因がわからない「特発性」のじんましんです。

日常生活でじんましんを予防するために原因を知りたいというお気持ちはわかりますが、多くのじんましんは原因がわからない「特発性」のじんましんです。病院を変えても原因が明らかになるわけではありません。かかりつけの医師とあらためて治療について相談してみてはいかがでしょうか。

慢性じんましんです。飲み薬が効かずに、医師から注射薬を勧められました。

半年前に原因不明のじんましんが出て毎日薬を飲んでいます。ここ1か月ほど、以前よりもかゆみがひどくなり、薬が効かなくなってしまいました。医師から注射薬を勧められていますが、どのような薬なのでしょうか。

分子標的薬という、原因にアプローチする治療法です。

飲み薬で慢性じんましんの改善ができない場合、分子標的薬などを用いて、原因にピンポイントにアプローチする治療を行います。治療の選択肢が増えていますので、医師と相談しながら進めましょう。

患者さんファイル 01

かゆみがおさまらず、眠れない日々が続く。かかりつけ医に相談し、半年後に治療を見直す。「きっと効くはず」と辛抱強く治療を続けた。発症から10か月、ようやくかゆみから解放された。

Aさん(愛知県在住 女性 30代)

職業:公務員
家族:夫と娘2人
UCTスコアの変化:
治療前0点→現在16点

じんましんの経過

(インタビュー2025年7月)

2023年9月、じんましんが2夜連続で出現し、翌日皮膚科を受診。医師から「じんましん」の診断とともに、「慢性じんましん」の可能性を説明され、飲み薬の治療を始める。以降、2週間ごとの通院となる。
12月ごろ、仕事の多忙の時期に、じんましんの症状が悪化し、眠れない日々が続く。
2024年3月、治療法を見直し、医師から「治療の効果が現れるまでに4か月程度かかる」と説明されたため、あきらめずに治療を継続。発症から10か月、かゆみがない状態を1年近く維持している。

患者さんファイル 02

2回目の慢性じんましん。継続して通院しても、昼も夜も強いかゆみがおさまらない。専門医にみてもらい、初めて自分に合った治療法に出合った。今は、「普通」に過ごせている。

Bさん(島根県在住 女性 30代)

職業:医療職
UCTスコアの変化:治療前0点→現在16点

じんましんの経過

(インタビュー2025年7月)

2020年7月、初めてじんましんが出現。昼間は気にならないが、夜にかゆみが強くなる。治療により、3か月ほどで症状がおさまった。2024年5月、再度、じんましんが出現。体だけでなく顔に現れたり、唇が腫れたりした。昼間も仕事に支障をきたす強いかゆみの症状がどんどんひどくなった。
7月、クリニックでの治療が難しくなり、大学病院に転院。専門医の診断により「慢性特発性じんましん」の治療を始めた。
再発から5か月で、じんましんがほとんど出なくなった。

患者さんファイル 03

経験したことのない強いかゆみと真っ赤なじんましんが全身に現れ、憂鬱な日々が始まった。かかりつけ医への通院を重ね、発症から2か月でかゆみが改善した。さらに3か月後には赤みがおさまり、気持ちも晴れた。

Cさん(福岡県在住 男性 60代)

職業:会社員
家族:妻
UCTスコアの変化:治療前0点→現在16点

じんましんの経過

(インタビュー2025年7月)

以前から飲酒後にじんましんが出現し、20年近く飲み薬を常用。
2024年9月、突然、これまでに経験したことのない強いかゆみを伴う真っ赤なじんましんが全身に現れ、憂鬱な日々が始まった。
かかりつけの皮膚科を受診。10月、耐えられないほどのかゆみとなり、皮膚科に駆け込む。かかりつけ医への通院を重ね、発症から2か月でかゆみが改善した。さらに3か月後には、赤みもおさまり、気持ちも晴れた。

チェック内容

チェック結果

じんましんではない可能性

あなたの症状はじんましんではないかもしれません。
皮膚の症状が気になる場合には、専門医にご相談ください。