特発性の慢性蕁⿇疹とは?
特発性の慢性蕁麻疹では、かゆみを伴い、皮膚に赤みを帯びたふくらみ(膨疹)が一時的にあらわれることがあります。膨疹は通常、数十分から数時間以内に消えて、通常1日以内に跡形なく消えてしまいます。稀に2~3日続くこともあります。
Marzano AV, et al. Curr Derm Rep. 2013; 2: 18-23より転載
特発性の慢性蕁⿇疹の原因
蕁麻疹の症状は、主にヒスタミンという化学物質によって起こります。何らかの刺激で肥満細胞から皮膚組織の中にヒスタミンなどが放出され、近くの血管と神経に作用した結果、赤みやふくらみ、かゆみを引き起こします。
急性蕁麻疹と慢性蕁麻疹の違い
ヒスタミンが放出される原因がわからない蕁麻疹を「特発性蕁麻疹」と呼び、その中で一過性の膨疹が繰り返しあらわれる状態が6週間以上続くものを「特発性の慢性蕁麻疹」、6週間未満の場合に「特発性の急性蕁麻疹」と呼びます2)。蕁麻疹の約6割は、原因がわからない特発性の蕁麻疹であるといわれています3)。
また、最近では、特発性の慢性蕁麻疹には2型炎症と呼ばれる炎症が関係する可能性があることがわかってきました。
参考文献
1) Marzano AV, et al. Curr Derm Rep. 2013; 2: 18-23
2) 秀 道広ほか:蕁麻疹診療ガイドライン 2018. ⽇⽪会誌 2018;128(12): 2503-2624
3) Saito R, et al. J Dermatol. 2022: 49(12); 1255-1262