脂漏性皮膚炎とは?
皮膚表面に油性で黄色調の、一部皮膚がはがれた部分を伴った境界が比較的明確な紅斑です。
皮脂の分泌が多い部位である頭部・眉間・鼻周囲・胸の真ん中・背中の上部などに左右対称に分布します。
また皮膚がこすれて摩擦が生じているひじやひざ、わきの下などにみられることもあります1)。
主な原因
乳児脂漏性皮膚炎では皮脂の分泌が亢進していて、皮脂量と皮膚炎の頻度は比例しているとされています。成人では皮脂腺の活動がピークになる思春期後10年ほどで発症してくるといわれています。
しかし発症に脂漏が関わっている意義などはまだ不明な点もあります。また、皮膚常在菌カビなどが原因になることもあります1)。
検査では何をしらべるの?
皮脂の分泌が問題になるので、セブメーターと呼ばれる機器で皮脂分泌量を測定することがあります。また、皮膚の一部を採取してその状態を確認することもあります(皮膚生検)1)。
どのような治療をするの?
外用ステロイド剤や抗真菌薬などを用います。かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬が使われることもあります。また紅斑を減らす目的で、ビタミンB群やビタミンHを用いることもあります1) 。
どんなことに気を付ければいいの?
頭皮については市販のフケ防止シャンプーで軽減することもあります。また肌をしっかりぬらして石鹸で洗った後、よくすすいで入浴のたびに保湿剤を塗るといった順番で、毎日皮膚を洗うことも大切です3) 。
1) 清 佳浩. Med Mycol J. 2012; 53(2):97-102
2) 佐伯秀久ほか: ⽇本⽪膚科学会ガイドラインアトピー性⽪膚炎診療ガイドライン2021, ⽇本⽪膚科学会雑誌. 2021; 131(13): 2691-2777
3) 米国皮膚科学会 :脂漏性皮膚炎:管理のポイント https://www.aad.org/public/diseases/a-z/seborrheic-dermatitis-self-care 2024/1/9 閲覧