結節性痒疹で長年苦しまれていた長野県在住の井出さん(82歳)の場合
結節性痒疹はかゆみや、ボコボコとしたもりあがり(結節)ができる皮膚の病気です。患者さんは、とても強いかゆみがあるため、眠れない、見た目が気になるなど、日常生活で大きな負担を感じているといわれています。
今回、結節性痒疹で長年苦しまれていた長野県在住の井出さん(82歳)に、結節性痒疹の病状やつらさについて、お話を聞かせていただきました。
【主な内容】
二の腕がかゆいなと思ったのがきっかけ。背中などにどんどんかゆみが拡がった
平成30年の7月頃、肩の腱の断裂で入院したことがありました。
その際に、入院後4日目ぐらいに、二の腕のところがちょっとかゆくなって、それが結節性痒疹の始まりでした。
手術まで入院している間に、背中とか他の場所もどんどん、どんどんかゆくなってきたのです。
いくつかの病院で、塗り薬や液体窒素などによる治療をうけた
手術した病院には皮膚科もあったので、入院中はその病院の皮膚科にかかっていました。
最初は塗り薬で治療を受けて、液体窒素で焼いた方がいいと言われて、その治療も受けました。
それを入院中、ずっと続けていたのですが、担当が別の先生に替わった際に、液体窒素は中止になって、また塗り薬による治療に戻りました。だけどあまり良くならず、そうこうしているうちに退院になりました。退院後は、ある個人の病院に行って、先生に診てもらったら、塗り薬だったんだけど、その薬で行きましょうということになりました。
蚊とかブヨに刺されるよりも全然かゆくて、本当につらい
かゆみは、蚊とかブヨに刺されたより、かゆいですよ。蜂に刺されて、その後、3日後ぐらいになるとかゆくなってくるんですが、そのかゆみよりもっとかゆいです。それはつらいですよ。
腕のところに、結節がいっぱいできてね。結節の部分はいくらか炎症が起きていて、ポコンとちょっと膨れているんです。そういう状態を掻くからね。とにかくかゆいからボリボリと。
見た目がよくない結節がたくさんできて、家族の前で食事することもつらかった
見た目で困ってるっていうのは、ズボンとかシャツを着ているから人にはわからないけど、銭湯とか旅行で大勢でお風呂でも入るとき、たぶん避けられていたと思います。気持ち悪いと思われるぐらいの結節ができていたから。
両手の甲にもいっぱいできていたので、食事で箸を持って食べるにしても、自分でもなんか気持ち悪いんです。こんなものはできたことないから。そういう状態で食事するときは、情けないような気持ちもありました。子供や女房に見せながら食べるのは、本当につらかったです。
夜も3時間ぐらいしか眠れないので寝不足で、朝から朦朧としていた
夜になると、眠ることも怖かったです。夜中の12時ぐらいになると、ボリボリボリボリと掻くようにしていて。1時間ぐらいやっていました。かゆくなって、もうボリボリ掻いた後は、起きてシャワーを必ず浴びて、また塗り薬を塗って、それで休むという感じだから、3時間ぐらいしか眠れなかったんじゃないかと思います。
そういう状態がずっと続いたんですよ。だから、本当に毎日が寝不足で、朝だって朦朧としていました。
どんなことに困っているかを相談して、お医者さんと一緒に治療を進めましょう
こういう病気で苦しんでいる患者さんが世の中にいっぱいいると思います。
一番のメッセージは、とにかくお医者さんと患者さんが一体になって、患者さんはこういうふうに困っているということをはっきりと訴えて、少しでも早く治療を進めてもらって、これを食い止めることが大事だと思います。
専門医からのメッセージ
結節性痒疹は、強いかゆみやボコボコした皮膚の症状だけでなく、眠れない、集中できない、人目が気になるなど、日常生活のさまざまな場面に影響を及ぼす病気です。実際に、多くの患者さんが、生活の中で大きな負担を感じています。
ただ診察の場では、「これ以上言っても仕方がない」「もう慣れてしまったから」と、ご自身のつらさを十分に伝えきれていない方も少なくありません。
でも、ひとりで抱え込む必要はありません。かゆみや皮膚の状態だけでなく、「生活の中でどんなことがつらいのか」「どんな場面で困っているのか」、ぜひ、遠慮せずに医師に伝えてください。
結節性痒疹の治療では、症状の改善と生活の質の向上、この両方を目指した治療が大切だと考えています。今は治療が進歩し、高い治療ゴールが目指せるようになっています。今の状況や感じていることを共有していただくことが、あなたに合った治療につながります。
「もっと良くなりたい」その気持ちを、ぜひ次の診察で医師に伝えてみてください。私たちは、患者さんのお話を伺いながら、一緒に治療を考えていきたいと思っています。
医療法人はせがわ皮ふ科
クリニック院長
長谷川 淳一先生