結節性痒疹とは?
痒疹という病気の中で、直径1cmくらいの、大きめのブツブツ(結節)ができるのが結節性痒疹です。個々のブツブツ同士はまとまったりせず、それぞれ孤立しているのが特徴です1,2)。
結節性痒疹の症状と経過
結節性痒疹になると、どんな症状が出るの?
腰や背中に加え、手足の外側(伸側)にブツブツが出てくることが多いとされています2,3)。
ブツブツができたところはとてもかゆく、人によっては眠れなくなるレベルのつらいかゆみが生じます1)。
結節性痒疹になると、どんな経過をたどるの?
結節性痒疹は慢性に経過する病気です。すなわち、ブツブツは数か月以上、長い時には何年も出たり消えたりを繰り返すこともあります1,3)。
結節性痒疹の原因
結節性痒疹になる原因は?
蚊やブヨなどに刺されたことがきっかけになることがあります。また、基礎疾患〔糖尿病、腎不全、肝障害、ホジキンリンパ腫などの悪性腫瘍(がん)、アトピー性皮膚炎やアトピー素因〕が、結節性痒疹を引き起こすこともあります1)。さらに、乾燥も要因のひとつと考えられています3)。
ただ、結節性痒疹になるきっかけがわからないこともあります。最近、結節性痒疹は慢性的に続く痒みのせいで皮膚を長い間ずっと搔きむしってしまうために起きるのではないか、と考えられるようになってきました1)。搔くとブツブツができやすくなるので、「反応性」の皮膚疾患と言われることもあります。
1)岩⽉啓⽒監修, 照井正ほか編:標準⽪膚科学 第11版, 医学書院, p.235, 2020
2) 森⽥栄伸:⽪膚疾患 最新の治療 2021-2022(⾼橋健造ほか編), 南江堂, p.62, 2021
3) 室⽥浩之:今⽇の⽪膚疾患治療指針 第5版(佐藤伸⼀ほか編), 医学書院, p.354-356, 2022
4)佐藤貴浩:medicina 57(11):1874-1875, 2020
5)佐藤貴浩:⽇本医事新報 5047:18-26, 2021