水疱性類天疱瘡の治療目標
水疱性類天疱瘡の治療目標は、「治療しなくてもよい状態」または「少量のステロイド内服や最小限の治療で症状があらわれない状態」を維持することです。水疱性類天疱瘡は再発を繰り返しやすい病気ですが、治療により、負担が少なくやりたいことができる日常生活を目指しましょう。
買い物や旅行に出かけたい、水疱を気にせず好きな服を選びたいなど、あなたがどのような日常生活を送りたいか、より具体的な目標に向けて治療を進めることも大切です。
水疱性類天疱瘡の治療
水疱性類天疱瘡では、原因である自己抗体の産生やはたらきを抑える治療を行います。
まずは症状を抑えることを目標に十分な量のステロイドで治療を行います(治療導入期)。症状が抑えられたら、症状をコントロールしながら、ステロイドの量を減らしていき、治療しなくてもよい状態、または少量のステロイド内服や最小限の治療で症状があらわれない状態を目指します(寛解維持期)。
治療によって一時的に症状が落ち着いても再発することがあるため、症状の有無に関係なく、長期にわたって治療を続けることが大切です。
水疱性類天疱瘡の治療イメージ
※1 効果が得られない場合には、他の治療を組み合わせることも検討します。
※2 なかなか症状が改善しないときやステロイドを減らすと症状が出るときは、他の治療を組み合わせます。
基本的な治療
ステロイドというお薬で、免疫機能や炎症を抑える治療を行います。症状が落ち着いたら、少しずつ減量していきます。
ステロイドの剤形
| 飲み薬 | 水疱性類天疱瘡治療の中心で、全身に作用して免疫機能や炎症を抑えます。 服用量は重症度によって異なるため、自己判断で量を変えたり飲むのをやめたりせず、医師の指示に従って決められた通りに飲むことが大切です。 |
|---|---|
| 塗り薬 | 通常、飲み薬と組み合わせて使用します。症状が限局性の軽症例では、塗り薬を使用することで飲み薬の量を減らせることもあります。 |
| 注射薬(ステロイドパルス療法) | 飲み薬で効果が得られない場合に、大量のステロイドを集中的に投与する方法です。通常、3日間連続で点滴で投与します。 |
他の治療
ステロイドのみで症状が抑えられない場合や、ステロイドの減量を助ける目的で以下の治療を組み合わせます。
ステロイドに組み合わせて使用する主な治療
| 生物学的製剤 | 水疱性類天疱瘡の症状を引き起こすうえで中心的な役割を果たしている物質のはたらきを抑える注射薬です。 |
|---|---|
| 免疫抑制剤*1 | 体内で起こっている過剰な免疫反応や炎症反応を抑えるお薬です。飲み薬が一般的ですが、注射薬が使われることもあります。 |
| IVIG療法*2 (大量ガンマグロブリン静注療法) |
健康な人の血液から抗体の主成分である免疫グロブリンを抽出・精製して作られた免疫グロブリン製剤(IVIG製剤)というお薬を、5日間連続で点滴で投与する方法です。 |
| 血漿交換療法*3 | 特殊な装置を使って血漿(血液の液体成分)中に含まれる自己抗体を取り除き、代わりの血漿に置き換える方法です。通常、週に2~3回程度行います。 |
*1:水疱性類天疱瘡に対して保険適用なし
*2:保険適用はステロイド剤の効果不十分な場合に限られる
*3:保険適用は難治性の場合、または合併症や副作用でステロイドの大量投与ができない場合に限られる