診断を行うための検査

水疱性類天疱瘡が疑われた場合には、まず、診断を確定するための検査を行います。
一見、似たような症状でも実は別の病気であることもあるため、視診だけでなく皮膚や血液を採取して詳しく検査します。

1.臨床症状

水疱や皮疹、びらんなどの皮膚症状を診察で確認します。
初期の段階ではこれらの皮膚症状があらわれず、かゆみのみがあらわれる場合もあるため、視診と問診によってからだの状態を観察します。

臨床症状

2.病理組織検査

局所麻酔をして皮膚や粘膜の一部を切り取り、組織標本を作製します。この標本を顕微鏡で観察して、水疱がどの部位(深さ)にできているか、自己抗体がついているかなどを詳しく調べます。
水疱性類天疱瘡の診断を確定するためには、必要な検査です。

病理組織検査

3.血液検査

採血を行い、血液の中に自己抗体が含まれているかを確認します。
自己抗体が作られることで水疱性類天疱瘡が起こるため、多くの場合、自己抗体の量(抗体価)と病気の勢いは相関します。そのため、抗体価を診断時から定期的に観察することは、治療の効果を評価するのに有用です。

臨床症状

重症度の判定1)

症状の改善と再発の予防には、重症度にあわせて適切かつ十分な治療を行うことが大切です。
水疱性類天疱瘡の診断が確定した場合には、BPDAIビーピーダイ(Bullous Pemphigoid Disease Area Index)というスケールを用いて重症度を判定します。治療開始後もBPDAIによる定期的な評価を行い、経過を観察しながら、症状にあわせて治療の変更を検討します。
また、BPDAIは医療費助成の対象となるかを判断するための指標としても用いられています。

BPDAI

水疱性類天疱瘡の症状から重症度を判定するスケールです。
皮膚の「びらん/水疱」と「膨疹ぼうしん紅斑こうはん」、粘膜の「びらん/水疱」の3つの項目ごとに病変の数や程度をスコア化して評価を行い、各項目の中で最も高い重症度を採用します。

  皮膚 粘膜
1.びらん/
水疱の合計スコア
2.膨疹/
紅斑の合計スコア
3.びらん/
水疱の合計スコア
軽症 14点以下 19点以下 9点以下
中等症 15~34点 20~34点 10~24点
重症 35点以上 35点以上 25点以上
↓

1~3のうち、最も高い重症度を採用

氏家 英之ほか. 日本皮膚科学会ガイドライン 類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む)診療ガイドライン,
日皮会誌 2017; 127(7): 1483-1521を参考に作成

参考文献
1)氏家 英之ほか. 日本皮膚科学会ガイドライン 類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む)診療ガイドライン, 日皮会誌 2017; 127(7): 1483-1521