日常生活で気をつけたいこと
日常生活のなかには、少し気をつけるだけでスキンケアにつながることがさまざまあります。
住環境
・室内を清潔にし、適度な温度と湿度を保ちつつ、結露によるカビの発生を防ぐ
・肌に触れるシーツや枕カバーはダニを通さない高密度織の製品を選び、毎週洗濯する
・ものを減らして掃除しやすい環境にする
・エアコンや洗濯機のカビ取りをする など
衣服
・チクチク、ゴワゴワする肌着や衣類(化学繊維、ジーンズなど)は避け、
自然素材のものを選ぶ
・ゴムなどによる締め付けがかゆみの原因になることもあるため、特に直接皮膚に
触れる肌着や靴下などは、肌触りが良く締め付けの少ないものにする など
その他
・皮膚が傷つかないように、爪は短く切る
・寝ている間は、手や爪で直接かかないように、長袖、長ズボンを着るなど工夫をする
など
お風呂で気をつけたいこと
子どものアトピー性皮膚炎では、汗やよだれ、細菌、ほこりなどが症状の悪化原因となることがあり、入浴やシャワーによって皮膚を清潔に保つことが大切です。また、入浴やシャワーでせっけんを使った場合は、皮脂が落ちてしまうので、⽪膚が乾燥しないよう外用薬を塗りましょう。
お風呂やシャワーの際に気をつけるポイント1)
【せっけんを使って素手で洗う】
剤形(固形、液体、ポンプ式など)にはこだわりませんが、泡立てて使います。
皮膚に傷をつけるようなタオルは使わず、素手で洗いましょう。
せっけんが皮膚に残らないよう、しっかり洗い流しましょう。
皮脂が落ちすぎて肌が乾燥してしまうような強いものは避けます。
【皮膚を洗った後は、たっぷりと外用薬を塗る】
速やかにタオルで水分をふき取ります。
ごしごしふくのではなく、押さえるように水分をふき取りましょう。
塗り薬はすり込まず、膜をつくるような感じで均一に塗りましょう。
学校で気をつけたいこと
プール、海水浴、日焼け2)
プールが終わったら、できるだけ早く通常のスキンケアを行いましょう。
また、海水浴については、海水がついたままで肌を乾燥させることは、皮膚バリアを壊す可能性があります。海から上がるたびに、すぐに真水で洗ってください。近くに水道がないところでは、あらかじめペットボトルなどに水道水を入れて準備しておくと便利です。海水浴が終わったら、できるだけ早く通常のスキンケアを行いましょう。
日焼けによりアトピー性皮膚炎が悪化することもあるため、長い時間、紫外線を浴びる時には日焼け止めを塗る、帽子を被るなどの対策をしましょう。ただし日焼け止めは、かぶれることがないかを確かめてから使用しましょう。プールや海では、日差しの強い時間に泳ぐのを避けたり、パラソルなどの日よけ対策もしましょう。
当番や行事3)
掃除当番は、症状が落ち着いていれば、他の子と同じように分担できます。ただし、飼育している動物にアレルギーがあって飼育当番ができない場合や、⾷物アレルギーで献立によってはアナフィラキシーの危険がある場合などは、当番を交代してもらいます。
基本的にすべての行事に参加可能ですが、食物アレルギーがある場合は事前に下調べをして危険をさける準備をしましょう。
1) 大矢幸弘ほか. 子どものアレルギー アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・ぜんそく 文藝春秋. 2017. p81
2) 独⽴⾏政法⼈環境保全機構.ぜん息悪化予防のための⼩児アトピー性⽪膚炎ハンドブック. 2009. p17
3) 大矢幸弘ほか. 小児科外来や乳幼児健診で使える 食と栄養相談Q&A 改訂第2版 診断と治療社. 2022. p152