好酸球性副鼻腔炎とは? ~症状、診断基準、治療法について~ 【監修】獨協医科大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科 主任教授 春名 眞一 先生

慢性副鼻腔炎の中でも、治りにくいタイプ(難治性)の副鼻腔炎を「好酸球性副鼻腔炎こうさんきゅうせいふくびくうえん」と呼びます。
このページでは、好酸球性副鼻腔炎の症状や診断のしかた、治療法について解説します。

好酸球性副鼻腔炎患者さんの鼻茸

好酸球性副鼻腔炎ってなに?

古くからある一般的な慢性副鼻腔炎は、「蓄膿症」とも呼ばれ、炎症を起こしている部分に“好中球”という白血球が多く集まっています。一方、好酸球性副鼻腔炎では、“好酸球”という白血球が多く集まっているため、「好酸球性副鼻腔炎」という病名がつけられています

好酸球性副鼻腔炎は、一般的な慢性副鼻腔炎とくらべて治りにくく(難治性)、手術などの治療を行っても再発を繰り返すことがあります。好酸球性副鼻腔炎は、嗅覚障害(匂いがわからない)が起こりやすい、鼻茸が両側の鼻の中にできやすい、粘り気の強い(ニカワ状の)鼻水が出る、喘息を合併しやすい、などの特徴があります。

  一般的な慢性副鼻腔炎
(蓄膿症)
好酸球性副鼻腔炎
なりやすい年齢 すべての年代で起こりうる 成人以降
主な症状 鼻づまり、鼻水、頭痛 嗅覚障害が多い
炎症が起きやすい場所 ほおの奥 鼻の根本や目元の奥
鼻水の性状 粘液性、膿性 黄色く粘り気が強い、濃い
鼻茸 片側または両側、単発 両側、多発性
匂いを感じるところ(嗅裂)にできやすい
合併症 気管支炎 気管支喘息、アスピリン喘息、
薬剤アレルギー

好酸球性副鼻腔炎の診断は?

鼻の中を見る検査(鼻鏡検査内視鏡検査)、血液検査、画像検査(CT検査)などにより、「鼻茸があるか」「どの副鼻腔で炎症が起きているか」「血液中に含まれる好酸球の割合」などを調べます。さらに、鼻茸の中の好酸球の数を調べることで、好酸球性副鼻腔炎の診断が確定します。
好酸球性副鼻腔炎は、軽症、中等症、重症に分類されます。

好酸球性副鼻腔炎の重症度分類

好酸球性副鼻腔炎の治療は?

好酸球性副鼻腔炎の治療法には、局所療法、薬物療法、手術療法があり、これらを組み合わせて行います。
局所療法では、鼻処置ネブライザー療法副鼻腔洗浄などを行います。
薬物療法では、ステロイド(飲み薬、点鼻薬)や、新しいタイプの薬である生物学的製剤(注射薬)などを使用します。抗ヒスタミン薬ロイコトリエン受容体拮抗薬を使うこともあります。
手術は、内視鏡を使った手術(ESS:内視鏡下鼻内副鼻腔手術)が一般的です。手術後は再発を防ぐために、定期的な通院のほか、自宅で鼻洗浄(鼻うがい)を行います。

指定難病のため、助成が受けられる場合があります

好酸球性副鼻腔炎は国の指定難病となっています。好酸球性副鼻腔炎と診断され、認定基準を満たした患者さんは、好酸球性副鼻腔炎の治療にかかった医療費について、助成を受けることができます。
助成を受けるためには、都道府県に申請して医療受給者証の交付を受けることが必要です。
詳しくは、難病情報センターホームページ(外部リンク)をご覧ください。