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アトピー性皮膚炎Q&A

疾患について

汗はアトピー性皮膚炎を悪化させますか?

疾患について 小児期(2~12歳)

汗をかくこと自体は肌にとって悪いことではないのですが、汗をかいたまま長時間ほうっておくと、アトピー性皮膚炎が悪化する原因になります。汗をかいたら、シャワーやお風呂で洗い流しましょう。お風呂やシャワーの温度を低めに設定し、ごしごし洗うのではなくやさしく洗うと、肌が刺激されず痒みを抑えられます。
【監修】日本医科大学付属病院 皮膚科 部長 佐伯秀久先生

アトピー性皮膚炎が治る見込みはあるのでしょうか?

疾患について 小児期(2~12歳)

乳幼児期にアトピー性皮膚炎を発症しても、数年後には自然に治ってしまうお子さんが結構多くいらっしゃいます。
小学校に入っても治らなかったり、大人になるまで症状が続くこともありますが、その場合も年を取るごとに快方にむかい、いずれは自然に治ることが多いようです。
アトピー性皮膚炎をすぐに治すことは難しいのですが、きちんと薬を使って症状を長期に落ち着かせれば、いずれは治る可能性がきわめて高いといえます。
【監修】日本医科大学付属病院 皮膚科 部長 佐伯秀久先生

ストレスはアトピー性皮膚炎を悪化させますか?

疾患について 思春期から成人期

どんな病気においても、ストレスは症状を悪化させる可能性があります。学校や会社などの日常的なストレスでイライラするとかゆみが強くなり、湿疹を掻き壊してしまいアトピー性皮膚炎の症状が悪化するケースもあります。しかし、ストレスを回避することは難しいため、ストレスがかかった時ほど、自分を責めたりせず、あまり深刻に考え過ぎないようにするなど、少し落ち着いてのんびりして、自分なりの対処法を考えてみるのもいいでしょう。
【監修】東京逓信病院 副院長兼皮膚科部長 江藤隆史先生

アトピー性皮膚炎になりやすい“アトピー体質”ってどんな体質ですか?

疾患について 乳幼児期 小児期(2~12歳)

アトピー体質とは、生まれつきアレルゲンに敏感でアレルギーを起こしやすい体質や、皮膚が乾燥しやすくバリア機能が低下している体質のことをいいます。アトピー性皮膚炎を以前に発症したことがある方や、喘息やアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎など、アトピー性皮膚炎以外のアレルギーの病気にかかっている方、また過去にかかったことがある方、家族にアトピー性皮膚炎の患者さんがいる方などは、アトピー体質と考えられます。
【監修】国立成育医療研究センター アレルギー科 医長 大矢幸弘先生

治療について

同じような症状なのに体の部位によって、塗り薬を使い分けるように言われました。なぜですか?

治療について 小児期(2~12歳)

塗り薬の効き目は、体の部位によって大きく異なります。これは薬の吸収率が部位によって異なるためで、吸収の良いところは弱い薬でも高い効果が期待できますが、吸収が悪いところにはより強い薬が必要になります。したがって、同じような症状であっても1種類の塗り薬で全部を治療することが難しい場合があり、体の部位に合わせて塗り薬を使い分けることがあります。
【監修】国立成育医療研究センター アレルギー科 医長 大矢幸弘先生

部分的に強い湿疹があります。強い湿疹の部分にだけ、薬を塗ればよいでしょうか?

治療について 乳幼児期 小児期(2~12歳) 思春期から成人期

強い湿疹のまわりにある軽い湿疹や乾燥肌ぐらいの肌荒れにも、きちんと薬を塗る必要があります。湿疹は、全部を一気に治療することが大事です。そうしないと、なかなか痒みがおさまらず掻きむしりをやめることができません。また、いつまでたってもどこかに新しい湿疹が出て、ステロイド外用薬が手放せなくなってしまいます。
【監修】国立成育医療研究センター アレルギー科 医長 大矢幸弘先生

塗り薬がベタベタすると嫌がります。何か改善策はありますか?

治療について 乳幼児期 小児期(2~12歳)

まずは、しっかりと薬を塗って湿疹をなくしましょう。そうすれば、医師の判断で塗り薬の量を減らしていくことができますので、べたつき感も減っていきます。医師の許可のもとに、べたつき感の少ない保湿剤と塗り薬を日によって使い分けたり、保湿剤を塗り薬に混ぜて使うことなども可能です。さらに十分に状態がよくなって保湿剤だけを塗る日が増えれば、べたつき感はほとんど気にならなくなるでしょう。
【監修】国立成育医療研究センター アレルギー科 医長 大矢幸弘先生

薬を塗った後、ほてったり、ひりひりするようです。何か改善策はありますか。

治療について 小児期(2~12歳)

そういった症状は薬の使いはじめに時々みられます。しかし、医師の指示どおりにしっかりと薬を塗っていると、1週間ぐらいで消えていくことがほとんどです。これは、薬をきちんと塗ったことで、炎症が収まり皮膚のバリアが回復したためと考えられます。お子さんが我慢できないようでしたら医師や薬剤師に相談する必要がありますが、そうでない場合はちょっとの間の我慢と思って、指示どおりに薬を塗るようにしましょう。
【監修】日本医科大学付属病院 皮膚科 部長 佐伯秀久先生

長期にステロイド外用薬を塗っていると、肌が黒ずんだり、分厚くガサガサになったりするとよく聞きます。本当ですか?

治療について 思春期から成人期

ステロイド外用薬によって、肌が黒ずんだり分厚くガサガサになったりすることは、一切ありません。これらは、アトピー性皮膚炎の炎症が長く続いたことによって起こる症状です。誤った情報に惑わされて、ステロイド外用薬を勝手に止めたり量を減らしてしまうと、炎症が放置されて症状がくすぶり続け、こういった症状が引き起こされる可能性があります。つまり、肌の黒ずみやガサガサはステロイド外用薬の副作用ではなく、むしろステロイド外用薬をきちんと使わなかったことで起こってしまった症状といえます。
【監修】東京逓信病院 副院長兼皮膚科部長 江藤隆史先生

塗り薬は、どれくらいの量を塗ればいいのでしょうか?

治療について 乳幼児期 小児期(2~12歳)

ステロイド外用薬の場合、チューブから、大人の指先~関節1つ分出した量で、大人の手2枚分の面積を塗るのが、使用量の目安です。塗った後、肌が少しベタベタすると感じるかもしれませんが、炎症をきちんと抑えるためには、これが適切な量です。ステロイド外用剤の副作用を心配される方が多いのですが、アトピー性皮膚炎の治療で使われる量では、問題になるような副作用が出ることはほとんどありません。指示どおりの量をしっかりと塗りましょう。
【監修】国立成育医療研究センター アレルギー科 医長 大矢幸弘先生

アトピー性皮膚炎の症状がすっかりよくなったようです。薬はやめていいですよね?

治療について 小児期(2~12歳) 思春期から成人期

症状がおさまっているように見えても、目に見えない内部で炎症が続いていることがあります。途中で治療を中止することによって、悪化したり、かえって治療期間が長期になってしまうことがあります。最近は血液検査でアトピー性皮膚炎の炎症がどの程度であるかを示すTARCという検査もあります。肌の状態がよく見えてもアトピー性皮膚炎の炎症が本当には治まっていないことがよくあるのです。必ず医師に相談し、自己判断で薬をやめることは避けてください。
【監修】東京逓信病院 副院長兼皮膚科部長 江藤隆史先生

ステロイド外用薬をやめると、リバウンドして悪化すると聞きました。本当ですか?

治療について 思春期から成人期

ステロイド外用薬を急にやめると、そのあと症状が急激に悪化することがあり、それをリバウンドと言うことがあります。急にお薬を止めれば悪化するのは当然で、急に止めたりしなければそのような悪化は起こりません。リバウンドと言う表現は不適切という意見もあります。少し良くなったから塗るのを止めようと自己判断せず、必ず医師に相談してください。ステロイド外用薬を正しく使っていれば、そのような急激な悪化は起こりません。
【監修】東京逓信病院 副院長兼皮膚科部長 江藤隆史先生

ステロイド外用薬には、ニキビができやすくなる、皮膚がうすくなる、体毛が濃くなるなどの副作用が出る場合があると聞きました。本当ですか?

治療について 思春期から成人期

本当です。しかし、こういった症状が全身に出ることはありません。
ステロイド外用薬を塗っているところにのみ、出る可能性があります。もし仮に症状が出てしまっても、ステロイド外用薬を中断したり、塗る頻度を減らしたり、またほかの薬に変えれば、ちゃんと治りますので安心してください。また、きちんと通院していれば、医師はこういった症状にすぐに気がつきますので、対処が遅れるようなこともまずないでしょう。
【監修】日本医科大学付属病院 皮膚科 部長 佐伯秀久先生

アトピーが治るという商品や、民間療法などを試してみてもよいでしょうか?

治療について 小児期(2~12歳) 思春期から成人期

全てがダメとはいえませんが、そういったものは科学的ではないものが多く、高額なものもありますし、お勧めすることはできません。ごく一部、プラセボ効果で偶然よくなった経験をされる方がいらっしゃいますが、現在のところ、医師が処方する薬や、医師が指導する治療法以外で、アトピー性皮膚炎に効果があるときちんと証明されているものはありません。自己判断でいろいろと試した結果、かえって悪化してしまうことも少なくないので、十分に注意してください。
【監修】東京逓信病院 副院長兼皮膚科部長 江藤隆史先生

忙しくて病院に行く暇がありません。市販の塗り薬を使ってもいいですか?

治療について 思春期から成人期

市販の塗り薬を自己判断で使うことは、お勧めできません。ステロイドが含まれた外用薬なども市販されていますが、効き目が弱いものが多く、炎症がひどい人にはあまり効果がありません。また弱い薬であっても、長期にダラダラと使っていると、思いがけない副作用が出ることもあります。
【監修】東京逓信病院 副院長兼皮膚科部長 江藤隆史先生

アトピー性皮膚炎で使われる塗り薬の適量の目安を教えてください。

治療について 乳幼児期 小児期(2~12歳) 思春期から成人期

アトピー性皮膚炎の症状をよくするために、塗り薬は適切な量を塗ることが大切です。
ステロイド外用薬の場合、チューブから、大人の指先~関節1つ分出した量で、大人の手2枚分の面積を塗るのが、使用量の目安です。塗った後、肌が少しベタベタすると感じるかもしれませんが、炎症をきちんと抑えるためには、これが適切な量です。ステロイド外用薬は塗る量が少なくなりがちなので、適量の目安を覚えておきましょう。
【監修】国立成育医療研究センター アレルギー科 医長 大矢幸弘先生

日常の注意・心配事項について

下の子が生まれてから、掻きむしりがひどくなったような気がします。何か精神的なことが影響しているのでしょうか?

治療について 乳幼児期 小児期(2~12歳)

下の子が生まれると、母親の愛情を下の子に奪われるのではという心配を持つことがあります。母親は兄弟姉妹を平等に扱っているつもりでも、子どもには通用しません。まして、「お兄ちゃんだから、お姉ちゃんだから、我慢しなさい」というしつけは逆効果です。下の子の面倒を見ていたり別の仕事をしているときに、上の子どもが掻きむしると、すぐに止めようとしていませんか。子どもは掻きむしることで親の注目(愛情)を獲得することができるので、ますます掻くようになるのです。でも解決方法はあります。まずステロイド外用薬で皮膚をつるつるにして痒くない皮膚にすること、同時に掻かないときに相手をしてください。掻き出したら無視して、その場から立ち去りましょう。掻くことでは親の注目を獲得できないことを学習すれば掻く行動はとまります。
【監修】国立成育医療研究センター アレルギー科 医長 大矢幸弘先生

学校にはアトピー性皮膚炎のことを伝えたほうがよいのでしょうか?

治療について 小児期(2~12歳)

アトピー性皮膚炎のことを、学校に知ってもらうことは大切です。学校でもアトピー性皮膚炎を管理し指導してもらえるようにお願いし、必要があれば、お子さんに薬を持参させて保健室で塗らせてもらいましょう。食物アレルギーの合併がある、学校に薬を持参する必要がある、紫外線対策が必要など、特に大切な連絡事項がある場合は、主治医に学校生活管理指導表という連絡用紙に記入してもらい、学校に提出することもできます。その他にも例えば、学校で飼育している小動物が症状を悪化させる可能性があるかどうかなど心配なことがあれば、まずは医師に相談し、対処が必要であればその都度、学校に連絡するようにしましょう。
【監修】日本医科大学付属病院 皮膚科 部長 佐伯秀久先生

プールに入る時に、注意すべきことはありますか?

治療について 小児期(2~12歳) 思春期から成人期

プールの後は必ずシャワーを浴びて塩素を洗い流してから、薬を塗りなおしてください。
アトピー性皮膚炎があってもプールに入れますが、アトピー性皮膚炎のお子さんは伝染性軟属腫という感染性の小さな水イボや、伝染性膿痂疹(とびひ)というジクジクした皮膚の感染症を合併しやすいという問題があります。これらがある場合は、他の人に移さないように配慮が必要です。伝染性軟属腫がある場合、その感染力はあまり強くないのでプールに入ることはできますが、タオルや水着、ビート板、浮輪などを他のお子さんと共有するのは避けましょう。伝染性膿痂疹(とびひ)の場合は、皮膚がジクジクしているうちは登校もプールも控えましょう。
医師の許可が出てから登校し、プールは感染部分が全てしっかり乾燥してから入るようにしましょう。
【監修】日本医科大学付属病院 皮膚科 部長 佐伯秀久先生

日光はアトピー性皮膚炎に良いという話も、悪いという話も聞きます。どちらが本当でしょうか?日焼け止めは塗った方がいいのでしょうか?

治療について 小児期(2~12歳) 思春期から成人期

日光が刺激となって皮膚をかきむしり、アトピー性皮膚炎が悪化することがあります。日差しが強い時には、日焼け止めを塗るようにしましょう。また特にタクロリムス(プロトピック®)軟膏を使っている場合は、塗ったところが日光に長時間あたらないようにし、日焼けランプや紫外線ランプの使用も避けてください。
なお、海水浴でアトピー性皮膚炎が良くなったという話が昔からあり、そういった話を聞くと、日光はアトピー性皮膚炎に良いのでは?と思うかもしれません。しかし、海水浴は日光だけでなく海水などの影響もありその効果はきちんと分かっておらず、海水浴で逆に悪化する人もいます。また紫外線療法という治療法が、アトピー性皮膚炎の治療に取り入れられていますが、これは機械を使って特殊な紫外線を皮膚にあてます。単に日光をあびるわけではありません。日光は必ずしもアトピー性皮膚炎に悪いとはいえませんが、悪化の原因になる場合がありますので、強い日差しや、長時間の日光浴は避けましょう。
【監修】日本医科大学付属病院 皮膚科 部長 佐伯秀久先生

ステロイド外用薬を塗った部分に日光が当たると、皮膚が黒くなるって本当ですか?

治療について 乳幼児期 思春期から成人期

ステロイド外用薬に、そのような副作用はありません。日光に当たっても、当たらなくても、ステロイド外用薬を塗った部分が黒くなりやすいということは、一切ありません。
【監修】国立成育医療研究センター アレルギー科 医長 大矢幸弘先生

保湿剤が毛穴をつまらせ、ニキビを悪化させることはありませんか?

治療について 思春期から成人期

保湿剤を塗りすぎても毛穴がつまったりニキビが悪化するようなことは、ありません。
【監修】東京逓信病院 副院長兼皮膚科部長 江藤隆史先生

食べない方がよい物はありますか?

治療について 小児期(2~12歳) 思春期から成人期

アトピー性皮膚炎のアレルゲンでなくても、症状を悪化させる可能性があるといわれている食べ物があります。 たとえばお菓子などの甘い物、脂肪分が多く含まれる食べ物、香辛料をはじめとした刺激物などが挙げられます。 こういった物は、食べてもまったく大丈夫とはいえないのですが、個人差もありますので、完全にやめる必要はありません。ただし、アトピー性皮膚炎の症状が出ている時は、控えめにしたほうがいいでしょう。
【監修】日本医科大学付属病院 皮膚科 部長 佐伯秀久先生

妊娠中もステロイド外用薬を続けて大丈夫でしょうか?

治療について 思春期から成人期

皮膚から吸収されるステロイドの量は非常に少ないので、妊娠中にステロイド外用薬を使っても、赤ちゃんへの影響はまずないといわれています。 しかし今までに悪い報告がなかったからといって、絶対に大丈夫とはいいきれません。やはり妊娠中に、強力なステロイド外用薬を大量に使うことは、避けたほうがいいと考えられています。でも、妊娠が分かったら医師に伝え、今までどおりにステロイド外用薬を使い続けても大丈夫か、確認するようにしましょう。
【監修】東京逓信病院 副院長兼皮膚科部長 江藤隆史先生

アトピー性皮膚炎の症状がある部分に、お化粧をしても大丈夫でしょうか?

治療について 思春期から成人期

アトピー性皮膚炎があってもお化粧は禁止ではありませんが、炎症がある部分は炎症が収まるまでは、やめておいたほうがいいでしょう。クレンジングが必要な化粧下地やアイメークなども、炎症のある部分には控えたほうが安心です。クレンジングが肌に刺激となり、アトピー性皮膚炎が悪化する可能性があります。 またお化粧をすると症状が悪化する場合は、すぐに化粧品の使用を止めてください。その化粧品がアレルゲンとなってかぶれを起こし、アトピー性皮膚炎の症状も悪化させている可能性があります。今使っている化粧品がアレルゲンかどうかは、病院でパッチテストを受けるとはっきりします。
【監修】東京逓信病院 副院長兼皮膚科部長 江藤隆史先生

アトピー性皮膚炎で食事制限は必要ですか?

治療について 乳幼児期 小児期(2~12歳)

アトピー性皮膚炎の原因はさまざまで、必ずしも食べ物が症状悪化の原因とは限りません。アトピー性皮膚炎では、基本的に食事制限は必要ありません。むやみに食事を制限すると、お子さんの成長に影響を与えることもあるので注意しましょう。
食事制限は、アトピー性皮膚炎とは別に食物アレルギーが疑われるお子さんで行われることがあります。その場合も、病院などの医療機関で原因となる食品を突き止めたうえで、医師の指導のもとに食事制限が行われます。
【監修】国立成育医療研究センター アレルギー科 医長 大矢幸弘先生

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